社会で生きていく上で切っても切り離せないのが「人間関係」です。
世の中には色々な人がいますが、職場や友人、家族など、関係は違えど同じ人間ですので、根本的には共通しています。
あなたは人間関係を円滑に進められていますか?
独身を選択した方の中には、人間関係がスムーズな方も、そうでない方もいらっしゃると思います。
今回は「大人の人間関係を円滑に進めるための方法」を名著から学び、丁寧に解説します。
目次
1 名著「人を動かす – デール・カーネギー」
1.1 著者の紹介
1.2 ノマリが本書から学ぶべき理由
2 本書のまとめ
2.1 人を動かす3原則
2.2 人に好かれる6原則
2.3 人を説得する12原則
2.4 人を変える9原則
3 実際に試してみよう
3.1 一つずつ試して反応を見てみよう
3.2 共感したら次から採用してみよう
4 まとめ
1 名著「人を動かす – デール・カーネギー」
著書「人を動かす」は邦訳500万部突破した歴史的ベストセラーです。
本書は「人が生きていく上で身につけるべき人間関係の原則」を、膨大な時間をかけ書き上げられた346ページの力作で、時代を超えて読み継がれる不朽の名著です。
1.1 著者の紹介
著者のデール・カーネギーさんは1888年、米国の貧しい農家に生まれました。
大学卒業後は雑誌記者を始め、様々な職業を経て、話し方講座や成人教育の講師として実績を積み、名を馳せました。
世界的ベストセラーである本書「人を動かす」のほかに、「道は開ける」などの著書も有名です。
1.2 ノマリが本書から学ぶべき理由
失礼ですが、ノマリは社会不適合者の方が多いです。
もちろん私も日本を代表する社会不適合者の一人です。
でも、社会で生活している以上最低限のスキルは持ってないといけない、せめて人と関わっている時だけでも…と思う方も多いのではないでしょうか?
社会不適合者は社会不適合者で仕方ありません。
しかし、ある程度は社会に適応するための努力も必要です。
今回は、分かっているけどなかなかできていない、、、そんなあなたのお力添えになりたいと思い、この記事を書きました。
長いのでゆっくり読み進めてください。そして何度も読み返し、着実に身につけていきましょう。
2 本書のまとめ
人間関係は次の30原則に集約される
・人を動かす3原則
・人に好かれる6原則
・人を説得する12原則
・人を変える9原則
キーワードは「相手に重要感を持たせる」
2.1 人を動かす3原則
①盗人にも五分の理を認める
著者は、「人というのは、たとえ自分がどんなに間違っていても、自分が悪いとは思いたがらないものだから、批判をしてはいけない」と説いています。
例えば、世間一般的にはリンゴ=赤だとします。
しかし、Aさんの中ではリンゴ=緑だとしましょう。
この場合、Aさんの中ではリンゴ=緑が正解なので、逆に世間のリンゴ=赤が間違っていると思い、世間の意見を受け入れないということです。
仮に、リンゴは色素が〇〇のため赤である。といった論理的な説明をされた上で、だからリンゴ=緑なんてAさんはどうかしている。などと論理的に批判された場合、Aさんは納得するのではなく批判してきた人を恨むこともあります。
よって、人を上手く動かすために敢えて「相手を非難しない」「意見しない」
ようにしましょう。というのが、著者からのメッセージです。
②重要感を持たせる
著者は、「人というのは誰しも、他人から評価されたいという欲求を持っている」と説いています。
そしてその評価とは、お世辞ではない本心によるものを求めています。
失礼ですが、例えばAさんは容姿が悪い方だとします。
そんなAさんも心の中では評価されたいはずだと思い、「Aさん可愛いですね!」とお世辞を言ってもこれは逆効果になるわけです。
Aさんは容姿こそ優れていなくても、人に優しかったり、モノを大切にするところがあったりと、探せばどこかに良いところがあるはずです。
そうやって本心から評価できるポイントを見つけたら、「Aさんは他人に優しくできる方なんですね」とか「モノを大切にされる方なんですね」と言ってあげると欲求が承認され、あなたに良い印象を抱くようになります。
よって、人を上手く動かすには「その人を心から評価し褒めてあげることで、その人に重要感を持たせると、結果的に自分の手中に収めることができる」というのが、著者がここで伝えたいポイントです。
③人の立場に身を置く
著者は、「まずは自分が相手の立場に立ち、相手が望んでいるものが何かを考え、その望みと自分の望みを一致させると、自分の希望の動きを相手自らがしたくなるようになる」と説いています。
俗に言うwinwinの関係というやつですね。
例えばあなたが駅まで送って欲しいという望みがあるなら、逆に相手は何を望んでいるのかを考え、先にしてあげましょう。ということです。
相手がお菓子を食べたいことが分かれば、先に買って渡してあげるとwinwinが成立しますよね。
相手はあなたにお菓子を買ってもらったのだから、逆にあなたの希望を叶えてあげたいと思うようになります。
今回のケースではあなたの望みが駅まで送ってあげることでしたので、相手はそれを叶えてあげたというわけです。
このように、相手の利益と自分の利益を一致させると相手は応じてくれます。
著者の説明している人を動かす唯一の方法とは、簡単に言うと「相手に望みがあるなら、winwinの関係をあなたが先にしてあげなさい」と言うわけですね。
2.2 人に好かれる6原則
①誠実な関心を寄せる
著者は、「友を得るには、相手の関心を引こうとするよりも、相手に純粋な関心を寄せることが大切だ」と説いています。
我々は自分に関心を寄せてくれる人々に関心を寄せます。
あなたも自分に関心を持ってくれる人がいたら、少しはその人に関心を持つのではないでしょうか?
このように、こちらが相手に心からの関心を示せば、相手がどんなに忙しい人でも注意を払い、時間を割いてくれたり協力してくれたりします。
人に好かれるにはまず、相手の関心を引くのではなく、あなたが相手に心からの興味を持ちましょう。
例えば相手の誕生日を覚えておいて、当日にメッセージを送るようにしましょう。
そうすると相手もあなたへの印象が良くなるので、あなたに興味を持ってくれたり、同じように誕生日にメッセージを送ってくれるかもしれません。
わかってると思いますが、あなたはメッセージを送らないのに、相手からメッセージが来るのを待つのはNGですよ。
②笑顔を忘れない
著者は「いつも笑顔でいることと、出会う人々に笑顔で挨拶をすることが重要だ」と説いています。
著者によると、笑顔というのは我々の想像以上に強力なものだそうです。
また、こちらが笑顔で話しかけると相手も笑顔になり、コミュニケーションがスムーズになるそうです。
確かに、普段生活している中でこれはみなさんも実感しますよね。
私もこれは好循環で良い連鎖だと思います。
というわけで、改めて人と話す時は笑顔を心がけていきましょう。
もし、笑う気になれない時は無理にでも笑ってみると良いそうです。
動作と表情は連動しているので、笑うと本当に幸福な気持ちになれるそうですよ。
③名前を覚える
著者は、「相手の名前を覚えておき、話す時は相手の名前を呼んであげることが重要だ」と説いています。
人間は他人の名前は気にも留めませんが、自分の名前になると大いに関心を持つものだそうです。
また、自分の名前を覚えていて、呼んでくれることは大変気分がいいもので、お世辞よりもよほど効果があるそうです。
確かに言われてみると、久しぶりに会った同級生が「〇〇くん!中学校以来だね!」なんて自分のことを覚えていてくれると嬉しいですよね。
ポイントは出会った相手の名前を顔や表情、姿などと一緒に記憶しておくことです。
そして実際の会話の中に相手の名前を織り込むと良いそうです。
あなたは相手の名前を常に呼ぶことでより記憶の定着にもなりますし、相手は嬉しい気持ちになるなんて素敵ですよね。
④聞き手にまわる
著者は人に好かれるために、「人の話を一身に聞く重要性」を説いています。
質問の仕方も工夫して、相手が喜んで答えるような質問をしたり、あなたのことではなく、相手自身のことや相手の得意なことを話すように仕向けましょう。
簡単に言うと、敢えて相手が優位な立場になるようあなた自ら相手に主導権を握らせ、気持ちよくさせるイメージです。
また、人は自分の話を真剣に聞いてくれる人を好きになるそうです。
あなたの話し相手はあなたに対してもつ興味の100倍もの興味を自分自身に持っています。
先程紹介したの原則にも同じようなフレーズがありましたね。
みんな自分が一番ということです。
この心理を利用し、自分の話をせず聞き手に徹します。
そういえばこの聞き手に回るというやり方、聞き上手の人の特徴によく挙げられますよね。
聞き上手な人は無意識にこれができているからモテるわけですね。
あとこちらから質問する時は、相手自身や相手が今ハマっていること、得意なことに関する質問をすると、相手はさらにあなたに好印象を抱きますよ。
⑤関心のありかを見抜く
著者は、「相手の今の関心事を見抜いて、それを話題すると良い」と説いています。
人の心を捉える近道は、相手が最も深い関心を持っている問題を話題にすることです。
例えば沖縄旅行を計画している方に北海道の話題を上げて会話しても仕方ないですよね。
この場合、会話の話題にするなら沖縄旅行でオススメの観光地や名店などにすると相手の心を捉えることができます。
また、人は自分の興味があることに強く共感されると「自分を理解してくれる」と相手に好印象を抱く傾向にあるそうです。
上の例で考えてみると、沖縄旅行良いね!どんなプランを考えてるの?などと展開していくと良いですね。
このような深層心理的な考え方は心理学のテクニックなんかにありそうですね。
あなたもデートや接待なんかで人と会う時は、その人の好きそうな話題について勉強して、一通り話しができるくらいの基礎知識をつけておくと上手くいくかもしれません。
余談ですが、クラブのママやキャバ嬢の方は、お客様とお話できるよう新聞を読んだりして勉強されるそうです。
サービス業の最高峰ならではの高いプロ意識を感じますよね。
⑥心からほめる
先程もお話ししましたが、著者は「相手を心から賞賛して、自己重要感を満たしてあげることが重要だ」と繰り返し説いています。
相手を心から賞賛して、自己重要感を満たしてあげましょう。
ポイントはやはり、あなたから行動することです。あなたから先に相手の良いところを褒めてあげましょう。
繰り返しになりますが、お世辞はNGですよ。お世辞って結構相手も分かるので、変に使わないほうが良いそうです。
お世辞ではなく、心からの賞賛を送ってあげてください。
2.3 人を説得する12原則
①議論を避ける
著者は、議論に勝つ最善の方法は、「議論を避けて相手の自己重要感を満たすことにフォーカスすることだ」と説いています。
議論というのは、双方に自説をますます正しいと確信させて終わるものだそうです。
人間は皆自分が正しいと思っているので、あなたが議論に勝ったとしても、相手の意見を変えられません。
それどころか、相手は劣等感を持ち、自尊心を傷つけられたことから憤慨するようになるそうです。
例えあなたがどれだけ自分の意見が正しいと思っていても、不要な議論は避けるようにしましょう。
そして、相手が議論をふっかけてきても応じないようにしましょう。
②誤りを指摘しない
著者は、「相手の間違いを指摘することは百害あって一利なしである」と説いています。
これでは抽象的過ぎますので解説します。
ここで著者が伝えたいのは、人を説得したければ、人の意見に真っ向から反対したり、自分の意見を断定的に述べてはいけないと言うことです。
社会人の方はよく分かると思いますが、例えば上司の考えを変えることは大変な事ですよね。
例え本当に上司が間違っていても、真っ向から否定したり、絶対こうです!なんて言うとややこしい事になると思います。
このように、相手の間違いを指摘すると相手の自尊心を傷つけてしまうので、相手が間違ったことを言っても誤りを指摘しないようにしましょう。
ただ、あなたも人間ですので、これではストレスが溜まってしまうと思います。
なので、相手に意見があったり、相手を説得したければ、柔らかな口調で優しく伝えるようにしましょう。
それでもダメなら潔く引くのが大人の対応かもしれませんね。
③誤りを認める
著者は、「自分に誤りがあると分かれば、速やかに、快く、誤りを認めるべきだ」と説いています。
プライドの高い人にありがちですが、自分の否を認めたくない方もいるでしょう。
私もプライドが高いほうなので気持ちはよくわかるのですが、そのプライドが時として更なる悲劇を起こすこともあるんです。
また多くの場合、自分の誤りを相手より先に自ら言って、謝罪をしてしまえば、相手は寛大になり、こちらの誤りを許す態度になるそうです。
プライドが傷つくことは堪えて我慢し、自分が何かミスをした時は相手に指摘される前に自分が誤っていたことを認めましょう。そして謝罪しましょう。
一時的に怒られても、長い目で見るとそれが得策かもしれません。
④穏やかに話す
著者は、「人を説得する時は自分の意見を押し付けるのではなく、まずは打ち解けた穏やかな態度を示すことが大事だ」と説いています。
これは先程紹介した「誤りを指摘しない」に少し近いです。
相手も人間ですので、相手の意見を変えたければ、まずは穏やかに接して相手を気持ちよくさせてあげましょう。
返報性の原理のように、こちらが先に動き、相手自らがしたくなるように仕向けることが大切です。
自分の意見をいきなり主張するようなことは避け、相手を尊重して温かく接するよう心がけていきましょう。
⑤「イエス」と答えられる問題を選ぶ
著者は、「人を説得する時は意見の異なる問題をはじめに取り上げてはいけないので、まずは意見が一致している問題から始めて、互いに同一の目的に向かって努力しているのだということを相手に理解させ進めるべきだ」と説いています。
観賞魚やアクアリウムなどの業界では、別の水槽へ魚を移し変える際に、水合わせという作業があります。
水合わせとは、今いる水槽の水と一緒に移し替え先の水槽に入れ、慣れたら魚を離しましょうというものです。
いきなり魚だけ移し替えると魚がびっくりしてしまうことから、重要な作業だそうです。
少し脱線しましたが、著者の主張はこの水合わせに高いかもしれません。
人は言い出した以上、あくまでも自分の発言に固執するものです。
相手としても、最初に「no」と言ったらそれを翻すのは自尊心が許さず、なかなか撤回できません。
そのため初めから「yes」と言わせる方向に計算した上で話を進めることが大切です。
水合わせの要領で、まずは今いる水槽(相手と意見が一致している問題)から話を始めて、相手に何度も「yes」と言わせて、徐々に相手の心理を肯定的な方向に持っていった上で、別の水槽(意見の異なる別の問題)について話を進めるようにしましょう。
⑥しゃべらせる
著者は、「相手の言うことに異議を挟みたくなっても我慢し、相手に心置きなくしゃべらせるべきだ」と説いています。
クレーマーの方をイメージして下さい。
私も経験があるのですが、クレーマーの方のように、相手に言いたいことがある限り、こちらが何を言っても止められるものではありません。
ですが、口を挟まずうんうんと聞いてあげ、一通り喋り終わると、最後にはありがとう。なんて言ったりします。
人は相手よりも優れている場合には自己重要感を持ち、その逆の場合には劣等感を持って羨望や嫉妬を起こすそうです。
つまり、相手に喋らせて自己重要感を満させることが大事です。
話の途中で口を挟まず、相手が喋り終わるまで聞き手に徹します。あなたは頭の中を上の空にし、聞いてるかのように相槌を打つと、ストレスが少なく相手にも効果的です。
ただ、それではあなたが消耗してしまうので、相手が去った後は心の中でたくさん言い返してあげましょう。
⑦思いつかせる
著者は、「人に自分の意見を押し付けようとするのは間違いであり、暗示を与えて相手に結論を出させるべきだ」と説いています
著者の主張のイメージとしては、答えを教えて終了ではなく、答えが隠されていて、ヒントやキーワード(暗示)を元に自分で解いて答えに到達するような感じだと思います。
クイズ番組なんて良い例ですね。
人は押し付けられた意見よりも自分で思いついた意見を大切にするそうです。
誰でも命令される仕事より、自分で進んでやる仕事の方が楽しいですよね。
相手に全てを伝えるのではなくヒントやキーワードだけ伝えて、こちらの意図を相手に気づいてもらうようにしましょう。
⑧人の身になる
著者は「相手の立場に立って、相手の行動・思考の背景を想像し、理解することが重要だ」と説いています。
相手はそれ相応の理由のもと、それが正しいと思って行動しています。
相手はどういう理由で正しいと思っているのか等、行動の要因に興味を持てば、相手を感情的に受け入れられるようになります。
相手からすれば、「この人は自分のことを分かってくれる人なんだ。」と思うわけですね。
これにより、相手もこちらを受け入れてくれて、コミュニケーションがずっと円滑になります。
例えばあなたが職場で部下の教育を任されたとします。
指導の仕方一つとっても、相手を理解するために、「もし自分が部下だったら、どう感じ、どう反応するだろうか?」と部下の身になって自問自答しながら最善の選択をしましょう。
労力や時間はかかるかもしれませんが、結果的に部下の評価も上がり、良い教育ができるかもしれません。
⑨同情を寄せる
著者は、「食い違った意見を修正する前に相手の立場に立ち、相手に同情することが重要だ」と説いています。
返報性の原理のように、相手に同情することで、相手もこちらに同情しようという気になります。
同情には相手の敵対心を緩和させる効果があるそうです。
「あなたがそう思うのはごもっともです。もし私があなただったら、やはりそう思うでしょう。」などと話を始めて同情を寄せましょう。
ただ、中には同情されると腹を立てる人やあなたを信じなくなる人もいます。
相手の様子を見て、逆効果になりそうな方には無理に同情しないようにしましょう。
⑩美しい心情に呼びかける
著者は、「相手の良心に、こちらのして欲しい行動を訴えかけることが重要だ」と説いています。
人は誰でも自分自身を無私無欲なヒーローだと思いたがります。
結局人は自分が好きということですね。
人を騙すような人間でも相手に心から信頼され、正直で公正な人物として扱われると、なかなか不正はできないものです。
オレオレ詐欺のように、稀に良心を持ち合わせていない方もいますが、例外は別として、相手を素晴らしい人格者として扱い、美しい理由をつけて、相手の良心を刺激しましょう。
⑪演出を考える
著者は、「人に何かを頼む時は演出を考えることが重要だ」と説いています。
当書ではプロポーズを例に説明しています。
単に「結婚してください」と事実を述べるだけでは不十分で、興味を持ってくれるように演出を考える必要があると主張しています。
確かに映画などで、男はプロポーズする時にただ愛の言葉を述べるだけでなく、ひざまずいて愛の言葉が本心のものであることを演出してますよね。
現代の男性はよく、景色の綺麗なレストランでプロポーズしたりするそうですが、男性のDNAには元来この能力が組み込まれているのかもしれませんね。
このように、事実をありのままに伝えるだけでなく、相手の興味を引き、相手を楽しませられる演出方法がないかを考えましょう。
⑫対抗意識を刺激する
著者は、「対抗意識を刺激し、競争心を起こさせることで、仕事の質・スピードを上げることができる」と説いています。
小学校の徒競走なんて良い例ですね。
「体育の授業の50m走のタイムより、運動会でライバルと走る50mの方が早く走れた」という方も多いのではないでしょうか。
人には誰でも「他人より自分のほうが優れていると認めてもらいたい」という欲求があります。
人を動かすには対抗心を燃やすような何かがあった方が良いそうです。
周りと比較して、対抗意識を刺激してあげましょう。
うまくいけば通常以上の成果を出してくれるかもしれません。
2.4 人を変える9原則
①まずほめる
著者は、「苦言を呈す前にまずは褒めるべき」だと主張しています。
本書では少し分かりにくい例(手術前の麻酔)を挙げていますが、簡単に説明すると、褒められた後の苦言は対して苦く感じないということです。
あなたも褒められた後、「ここについてはもう少しこうすると良かったね。」と言われると、嬉しさそのままに、次回はここを改善しようと思うのではないでしょうか。
このように、相手や相手の成果物に少しでも優れたところがあればまずは褒めましょう。
そして、改善して欲しい点があれば、褒めた後に優しく伝えてあげましょう。
②遠まわしに注意を与える
著者は、「問題点を直接的にではなく間接的に伝えることが重要だ」と説いています。
人は直接注意されるのを嫌がりますが、遠回しに注意をすると、相手に自ら変わるような動機を与えられます。
勉強しろと言うより、勉強しないと将来どうなるかという動画を見せる方が効果があるのと同じですね。
このような場合は、直接問題を注意するのではなく、間接的に注意する事でそれとなくこちらの要望を気づかせましょう。
③自分の過ちを話す
著者によると、「まずは自分の誤りを話した後に相手を注意するほうが良い」そうです。
既に他のところで同じような説明がありましたが、結論としては自分から先に動きましょうということです。
頭ごなしに注意すると相手が反抗心を持ってしまい、こちらの注意を素直に受け入れられなくなります。
なので、人にものを言う時は、自分の談話を話した後で言いましょう。
ネガティブな人に多い自虐ネタもこのような時は有効に働きますよ。ぜひ試してみてください。
④命令をしない
著者は、「決して命令せず、自主的に仕事をやる機会を相手に与え、失敗によって学ばせることが重要だ」と説いています。
山本五十六のやってみせに近いものがありますね。
自主的にやって失敗した方が、相手も周りから注意されるよりも自分の過ちを正しやすくなります。
また、相手の自尊心も傷つけることなく重要感を与えてあげることにもなり、相手も悪い気はしません。
職場で部下のいる方は、試しに命令を質問の形に変えてみましょう。「〇〇をしろ」ではなく「〇〇はどうかな?」と質問し、意見を求めてみましょう。きっと部下の姿勢が変わるかもしれません。
⑤顔をつぶさない
他の章でもありましたが、著者は「たとえ自分が正しく、相手が絶対に間違っていても、相手の顔を立てることが重要」だと説いています。
理由も同様で、相手の自尊心を傷つけてしまうと相手は反抗心を持ち、こちらの意見を聞いてくれなくなってしまうからだそうです。
対処方法として、相手の言い分を聞き、一言二言思いやりのある言葉をかけて、顔を立ててあげるようにしましょう。
⑥わずかなことでもほめる
これも既出ですが、「例えわずかでも相手が進歩を示せば褒めること」が重要だそうです。
ただし、うわべだけのお世辞ではなく、心の底から褒めましょう。
我々には他人から評価され、認められたい願望があり、そのためにはどんなことでもします。承認欲求とも言いますね。
また、褒められると相手はそれに力を得て、ますます成長しますから、どんなに小さなことでも、相手の心から感心できる部分を見つけて伝えましょう。
このように、著者が繰り返し主張すると言うことは、他の原則に比べて優先度が高いのかもしれません。
⑦期待をかける
著者は「相手をある点について矯正したければ、その点についてはすでに人よりも長けていると言ってあげ、公然とそのように扱ってあげることが重要だ」と説いています。
自分について、いい評価が与えられた以上、その評価に恥じないよう努めるのが人情というものです。
いい評価を立ててあげると、その人間はあなたの期待を裏切られないように努めます。
勤務成績を本人の能力より少し上に設定して、少し上の要求をするというのが近いかもしれませんね。
相手も評価してくれてるんだ。と思ってより頑張ってくれることでしょう。
このように相手を信頼し、期待をかけ、相手が既にその長所を備えているものとして接してあげると効果的だそうです。
⑧激励する
著者は、「相手を元気付け、容易にやれると思い込ませ、相手の能力を自分は信じているのだと知らせてあげることが重要だ」と説いています。
人は激励されると、能力に自信を持つことができ、自分の優秀さを示そうと懸命に頑張るものだそうです。
逆に、 相手の欠点を指摘するのを避け、長所については激励してよりレベルアップしてもらうよう褒めましょう。
⑨喜んで協力させる
これも同様な内容が前章でありましたが、「相手が喜びそうなことを先に与えて、こちらに協力させるように仕向けなさい」ということですね。
また、相手が気持ちよく動けないようなことではあまり意味がありませんので、必ず相手が喜ぶであろうことを先にしてあげましょう。
こうやって工夫して相手の自己重要感を満たすことで、相手も自ら喜んで協力するようになります。
例えば、職位に肩書きを与えたり、金銭的なインセンティブを与えるなどをして自ら喜んで協力したくなるようにしましょう。
3 実際に試してみよう
30原則を理解したら、実際に試してみましょう。
本書がベストセラーであり続けるということは、年代を超えて多くの方から支持されていると言う事です。試して損はないかもしれませんよ。
3.1 一つずつ試して反応を見てみよう
一度に30原則全てを試すのは難しいですから、1日一つずつなどと決めて反応を見てみましょう。
また、特定の1人にではなく、複数人に試すようにすると効果の大小もわかるのでオススメです。
3.2共感したら次から採用してみよう
著者とあなたは違うので、あなたにとって著者の30原則全てを共感してもらうのは難しいと思います。
したがって、あなた目線で共感したもののみで構わないので、採用してみましょう。
共感できなかったものについては、こんな考えもあるんだなと知識として知っておくと他人と話す時に楽になりますよ。
4 まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここまで読むのに苦労されたと思います。お疲れ様でした。
あなたも本書の30原則を今日から一つずつ実践していきましょう。
きっと今までより人間関係が円滑に進められると思いますよ。
迷ったり忘れてしまったら、いつでも読み直しに来てください。
また、ノマリの方には関係ないので省略させていただきましたが、当書の巻末には、付録として「幸福な家庭をつくる7原則」というものも載っています。
もしこの本が気になった、もっと詳細を知りたいと思ったら、ぜひ手に取って読んでみてください。